今回の記事は職人が2級建築施工管理技士になるためのヒントを
サイディング職人の僕が自分の体験談を踏まえて解説していきます
記事の中で経験記述の書き方も解説します
あくまでもサイディング屋としての解説になりますが
基本的な部分は他の工種でも変わらないので参考にしてください
僕が合格したのは平成23年度の試験になりますので今の制度とは違うところもあります
学科だけの合格者に施工士補という呼称が与えられたり
一次検定、二次検定が同日のみでは無く分割別日の試験も導入されました
当時は同日のみの一発勝負の試験で午前学科、午後実地って流れで
合格点に達していなくても午後の試験を受けられました
言い換えると落ちてるのに意味の無い二次試験を受けさせられたってことです
なので午前の試験の内容に自信ない人は午後帰るってこともありました
昔より格段に試験に取り組みやすくなったので
職人だから資格は要らないとか言わずにぜひチャレンジしてみましょう
皆さんの背中を少しでも押せたらと考えてます
一般社団法人建設業振興基金の2級建築施工管理技術検定のページのリンクを張っておきます
2級建築施工管理技士(仕上げ)
サイディング職人が受験出来るのは2施工士の仕上げになります
二建士と略すと二級建築士のことになりますのでご注意ください
セコカンは1・2とアラビア数字で表記しますが
建築士は一・二と漢数字で表記します
サイディング施工士は国家資格ではないので取得しても試験の免除等はありません
サイディング工事は建設業の区分で言うと、タイルれんがブロック工事に分類されます
タイルれんがブロック工事の受験区分は躯体と仕上げになり
サイディング工事は仕上げ工事になるので
2施工仕上げを受験することになります
自分の職種が建設業29工種のなかのどれに該当するか分からない場合は
建設業許可+住んでる都道府県(ウチなら建設業許可 東京都)と検索すれば
自治体のHPが見つかるのでそちらで確認してください
受験資格
高卒で4年半、中卒で8年の実務経験が必要です
調べれば分かるのですが大卒や専門卒はもっと短くなるのですが、そんな奴はサイディング屋
やってないっていう僕の偏見で端折ります
この実務経験がくせもので、勤め先に証明して貰わないとダメなんです
親方の下で働いてたり会社の専属だったりすれば書いてくれる人誰かしら居るのですが
フリーでやってると自分で自分の経歴を証明するっておかしなことになるので
受験票が送られてくるまでドキドキします
このドキドキは二級建築士も1級建築施工管理技士も続きます
受験資格が無ければ試験は受けられないからです
学科と実地
僕が取ったときはこの言い方だったのですが、今は1次・2次と呼びます
変更前は1日で受ける試験で午前が学科、午後が実地になってて
学科試験の得点にかかわらず午後の試験を受けました
一発合格は4割ぐらいの確立だったと思います
僕は一年目学科のみ合格で二年目に実地だけを受験して合格しました
一年目参考書だけの独学で挑みましたが、経験記述の書き方やネットワーク工程表の
解き方が解らず実地で惨敗し二年目はCICってとこの講習会を受講して無事合格しました
現在は
11月に今まで通りの一発試験と
6月にまず1次試験を受けて合格したら11月に2次試験を受ける
を選べるので、一年目での合格の難易度は下がったと思います
試験の対策を二つに分けられるのはやっぱりデカいです
変更前は学科が受からなければ実地の勉強しても意味ないのに両方の対策をしていたのですからね
変更点で言うと学科免除が無制限になりました
今までは学科合格者は1年間学科免除だったので何度も受けて落ちていた人には朗報ですね
それと一次が受かると施工管理技士補って名乗ることが出来るようになります
ただ名刺に技士補とは書けない(恥ずかしい)ので二次試験も合格目指しましょう
試験の難しさ
一次試験は過去問とかマグレで合格出来ますけど、二次試験は対策しないと絶対無理です
資格学校に通えば一年目合格は簡単です
取りたいと思う奴がちゃんと時間を作って勉強すれば独学でも難しくは無いと思います
一次試験にサイディング屋としての問題は多分出ません
コーキングの問題は防水工事部門で出てきますが基本サッシとか躯体のエキスパンションとか
になってくるので勉強はちゃんとしましょう
4択問題なのでマグレも起きます
二次試験は記憶力勝負です
工法や部材や機械について書きます
これもサイディング屋には厳しくて関連するものが出てきにくいです
例えば透湿防水シートが問題にあればこう書きます
建物外壁下地に張るプラスチックシートでタッカー等を用いて張り上げる
施工の注意点は水下から水上へ張り上げサッシ周りや躯体貫通部にはブチル系防水テープ
を使用し雨水の建物内への侵入を防ぐ
みたいなことを書きます
これをいきなり見せられたものに対して書きます
何種類有る中から書けるモノや自信のあるモノをピックアップして解答します
二十年も前のことですが今でもビブラート工法とアイランド工法は忘れられません
経験記述の書き方
まず試験の内容ですがこういうことを求められます
仕上げに係る建築材料の強度等を正確に把握し、及び工事の目的物に所要の強度、外観等を得るために必要な措置を適切に行うことができる高度の応用能力を有すること。
建築一式工事のうち仕上げに係る工事の工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法を正確に理解し、設計図書に基づいて、当該工事の工事現場における施工計画を適切に作成し、及び施工図を適正に作成することができる高度の応用能力を有すること。
どんな工種でもまず自分が携わった建物を書き込みます
例としてサイディング工事なら
建築住所 東京都足立区足立1-1-1
えいたろ邸新築外壁工事
木造在来軸組工法住宅 3階建て 窯業系サイディング張り仕上げ
外壁㎡=185㎡ コーキングm=460m
平成22年5月着工 6月完了
みたいな書き方をします
これを全部丸暗記して試験に臨みます
講習会で教わりましたがある程度は想像でもいいです
実在しない住所や現場はダメですね
経験記述は上記の建物にサイディング工事の職人として工程管理、品質管理、安全管理をどのように
携わったかを記述することになります
これは年によって求められる管理項目が違うので、ヤマ張って一つに絞ることも出来ますが
2級レベルなんで全部の項目で書けるようにするべきでしょう
工程管理の例としては
透湿防水シートの施工に際しては他業種の建物外部工事後に施工することが
漏水などの事故を防ぐ上で重要なので
現場監督や他工種作業主任者と乗り込み日の打ち合わせを行った
漏水の文言を入れることで品質管理としても成立する文章にします
品質管理の例
サイディングのコーキング目地は8ミリとした
これはNYGの施工マニュアルに準じた仕様であり適切な目地幅を設けることで
エキスパンションとしての性能と建物の目地が通っていることで外壁の美観を保つ効果が期待できる
透湿防水シートの上下のかかりしろは100ミリとした
メーカーの仕様書には90ミリ以上となっており安全マージンを取って10ミリ多くした
建物の雨漏りは施主と元請けの信頼関係を傷つけることになるので雨漏りの無いよう細心の注意を
払う必要がある
安全管理の例
現場前道路は近隣小学校の通学路になっており朝の通学時間に材料の搬入は
事故の危険があるため10時以降の現場搬入とした
足場上作業では上下作業にならないよう屋根工事の作業主任者と工程の打ち合わせをした
安全帯使用の指示が出ている足場の箇所に親綱が張っていなかったので現場監督に報告し
張ってもらうように依頼した
2級だとこのぐらい書けてれば大丈夫だと思います
大事なのはいつもやってることを丁寧な言葉で文章化することです
国家資格試験だからっていつもやってないことを嘘八百並べてもボロが出ます
それぞれの職業でいつも取り組んでることを書き出してみてください
2級はそれで受かります
ただこれ全部漢字で書いてください ある意味国語のテストです
ネットワーク工程表、バーチャート工程表
工程表は僕が説明するよりも詳しく解説してるブログあるので端折ります
必ず解き方マスターしてください
解らないと受けるだけ無駄になると思います
建築士でも1級建築施工管理技士でも必ず出てくる問題です
まとめ
何か資格を取りたいと思ったらまずは2施工士を目指してください
パワービルダーでガンガン稼いでる職人さんにはピンと来ないかも知れませんが
このままじゃダメだと感じてる職人さん大勢居ると思います
僕は職人としてのスキルと同じように資格試験の勉強もたくさんしました
お金もかかることなので簡単ではないですけど
2施工士はキャバクラに行くのを何回か我慢すれば出せる程度の金額です
お金が無いけど頑張りたい人が居たらTwitterで絡んできてください
試験対策のアドバイスします
二級建築士についても記事にしてます興味があったらぜひ読んでください
是非チャレンジしてみてください
今回はここまで!
ご安全に!
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