今回の記事はサイディングの厚みについて施工する職人目線での解説を
していこうと思います
各商品の詳しいスペックはメーカーのカタログを参考にしてください
数字に表せない職人の体感みたいなモノを記事にして
皆さんのサイディングに対する疑問の解消になればと思います
アイキャッチ画像はウチで施工した3階建て集合住宅です
使用してるサイディングは旭トステムになります
後で解説してますが3階建て集合住宅には耐火等級4のサイディングを張ります
窯業系サイディングとは
まずはここから説明しないとダメですね
いろんなブログを見ましたがこの説明をしてるとこ無かったです
サイディングとは耐火壁になります
意匠のほうに目が行きがちですが一番重要なのは耐火等級になります
窯業サイディングには3級と4級があります
等級は数字が大きいほうが優れていることになります
大手3社の商品になりますが14ミリは3等級しかありません
15ミリ以上は全て4等級かというとそんなことは無くて
ニチハ、ケイミューは一部商品が対応していて旭トステムはほぼ全ての商品が4等級です
建築物を建てる敷地が属する地域や建築物自体の用途や規模によって
耐火建築物と準耐火建築物に分けられます
サイディングのみで外壁を構成すると準耐火建築物しか建てられません
この辺詳しくは
建築基準法 第61条・第62条
建築基準法施行令 第107条・第108条・第109条・第110条・第111条・第112条・第113条
第114条・第115条
に書いてあります
すべて法律で決まっていることなので、勝手に解釈とか出来ませんのでご注意下さい
ほとんどの住宅は準耐火構造で良い地域に建てると思いますので無理に耐火構造にする必要は
ないと思います
単純に建物の価格が高くなります
14ミリのメリット・デメリット
14ミリのメリットは価格です その秘密は施工方法にあります
15ミリ・16ミリ・18ミリ等の厚い材料は金具留め付けが標準になります
パネル自体の差額の他に金具代や工賃が変わってきます
14ミリパネルは透湿防水シートを施工後、通気胴縁を打ち、サイディングパネルをステンレスの
釘で直接建物に張り付けますので材料代が安く済みます
パワービルダーの分譲住宅はほぼすべて14ミリですね
デメリットはその施工方法のせいなのですが
パネルのデザインや建物の形状によって釘がものすごく目立つ時があります
僕たち職人はどのパネルが釘目立つか知っていますが、材料決めるのは営業さんやお施主さん
なので。。。
職人目線では釘打ちは無しです 自宅なら絶対に張りません
予算がないなら他を削ってでも金具留め施工の材料にしますね
説得力無くなるのですが僕はRC造の分譲マンションに住んでいます
15ミリ以上のサイディングのメリット
15ミリ以上のサイディングのメリットは何点かあります
デザインが豊富
これは厚みが増えたことで陰影を深くすることが出来るのと
大前提としてパネルを釘で留めないので塗装の方法が14ミリと違うものが多いです
シールレス工法を選べる
一部のメーカーではシールレス工法が選択できます
職人目線で解説しますとこれは良いものなのですが、職人を選ぶ仕事です
パワービルダー専門のサイディング屋では多分マニュアル通り施工できないと思います
町場の工務店が付き合ってる建材屋や施工会社では半分ぐらいの確率でハズレの職人が来ます
この工法を採用するときはハウスメーカじゃないと無理だと思います
せっかくのカタログスペックも良い職人に当たらないと発揮できません
サイディング職人の中には釘打ちしかやったこと無い人も多いです
ウチではコスト的な問題であんまりオススメしてません
建物の形状も選ぶ工法ですがすべての条件が揃ったときにはとても美しい外壁が完成します
15ミリ以上のサイディングのデメリット
価格でしょうね
どうしても14ミリと比べれば高くなります
分譲住宅では土地のコストの他に建物のコストも重要ですのでどうしても14ミリが多くなります
逆に言うと価格以外のデメリットはないので注文建築ではほとんど15ミリ以上のサイディング
を張ってますね
職人目線のデメリットは重さです
14ミリと比べると2割ぐらい重いです
地面で持つ分には誤差の範囲なのですが僕たちはそのパネルを2階建てだと5メートル
3階建てだと9メートルの高さまで足場を使って人力で上げて張っていきます
20キロと24キロの差が腰や肩にズッシリきます
稼ぐには14ミリですね
稼げないから雑になる人もいますので信頼できる工務店に工事の依頼をしてください
良い工務店には良い業者が付いています
今回はここまで!
ご安全に!
コメント